スピードメーターが動かなくなったとの事でアドレスV100が入庫しました。
2ストのアドレスV100もめっきり少なくなりましたが
このバイクのオーナーは新車で買ってからずっと大事に乗っているので
現存するアドレスV100の中でもかなりキレイなほうです。
スピードメーターの作動不良の原因はたいていがメーターケーブル切れ。
最近のバイクは電機式になってきていてケーブルがないバイクも多くなってきましたが、
ちょっと前までのバイクや、今でも低排気量のバイクを中心にまだまだ機械式でケーブル駆動のバイクはいっぱいあります。
アドレスV100もやはり機械式のスピードメーターなのでケーブルが付いています。
で、このV100はというと、
とても分かりやすくケーブル切れ。
こうやって外まで切れる事もないことはないですが、
大抵は内側のケーブルだけが切れるので、今回のこの分かりやすさは結構稀なほうです。
さてスピードメーターケーブル交換。
フロント周りのカウルを外す為、まずは余分なものを取外し。
ウインドシールドを取外したらカウルを外していきます。
フロントカウルを取外したら次はヘッドライト周りのカウル。
前周りがむき出しになりました。
このV100はセキュリティーのアラームも付いているので特に配線類がたくさん。
メーターの方に目をやると、
この奥の方にメーターケーブルがあるのですが、
配線をかき分けていくとありました。
メーターとの接続部分はねじ込み式になっているので緩めれば簡単に外せます。
ギザギザしている部分を回すのですが当然手で回せるほど緩いわけはないので、
プライヤーなどで挟んで緩めます。
車両によってはレンチで回せるように六角になっているものもあります。
メーターとの接続を外したら次はメーターギヤ側。
メーターギヤ側の固定の仕方はいろいろなタイプのものがありますが、
アドレスV100はケーブルを差し込んでからプラスのネジを横から締めつけて固定するタイプなので
このプラスのネジを外します。
ネジを外したらケーブルを引っ張って抜くだけ。
このV100に限ってはもはやこの部分だけ見るとケーブルには見えませんが。
抜いたケーブルの残骸。
ここでメーターギヤがきちんと機能しているか確認しておきます。
メーターギヤを覗きこむとこのようになっています。
前輪を浮かして回したときにこの真ん中の部分がきちんと回ってくれればメーターギヤはほぼ問題なし。
今回も大丈夫でした。
そして新品のスピードメーターケーブル登場。
早速組み付けます。
取り回しを間違わないようになるべく古いケーブルを抜きながら新しいケーブルを入れていくように作業。
アドレスV100は比較的スペースに余裕があったので部分的に古いケーブルを抜いてから新しいケーブルを入れていくというやりかたで問題なく作業が進められました。
バイクによっては古いケーブルの先に新しいケーブルを結び付けて古いケーブルを引っ張って抜いて新しいケーブルに入れ替えたりもします。
このあたりのやり方はバイクによって、また作業する人によって変わってくると思います。
今回は先にメーター側の接続を行ってから最後にメーターギヤ側の接続を行いました。
メーターギヤ側にケーブルを組み付けるときは
まずは内側のケーブルを少し引っ張り出して確実にメーターギヤに差し込みます。
そのあとでケーブルのアウターをメーターギヤに差し込みます。
何もしないでそのまま差し込むと運がいいとすんなり組付きますが、
内側のケーブルがなかなかはまらない時もあるのでこういった方法で組み付けています。
これでネジを取付けて締め込めば固定されます。
ケーブルの取付けは完了。
ハンドルを左右に切ったりしてボディーなどに干渉しないか確認。
問題なければ、きちんとメーターが動くかの確認。
前輪を浮かせて回してみます。
スピードメーターは、
バッチリ動いています。OK。
あとはカウル類などを取付けて完成。
スピードメーターが動かなくても走れないことはありません。
でも法律上スピードメーターが正常に動いていないと整備不良になり違法になります。
スピードメーターくらい動いていなくてもスピード違反だけ気を付ければいいや、っていう人は実際結構多いです。
でも警察官って何気に見ているんですよ、走っているバイクのスピードメーター。
それで切符切られたお客さんも何人か見ています。
以前知り合いの警察官が言っていました。
「習慣みたいな感じかな~、何となくちらっとメーター見たりするんだよね~。
動いていないメーターはちょっと見ただけですぐに分かるよ」
やっぱりちゃんと動くようにしておいた方がいいようです。
それとスピードメーターはオドメーターと連動しています。
オドメーターって総走行距離計のことですが、スピードメーターが動かなくなるとオドメーターも動かなくなります。
メンテナンスのタイミングなんかは距離で判断することも多々あるので
途中で距離が止まってしまうといろいろな判断なんかがしにくくなります。
整備士からのお願いです、やはりスピードメーターはきちんと動くようにしておいて下さい。