後ろの方からガチャガチャ音がして、走っているとちょっとガクガクなる。
そういう打ち上げで入ってきたスーパーカブ90。
おそらく駆動系、チェーン・スプロケット周りが原因でしょう。
スーパーカブにはチェーンケースが付いていて、そこに付いている点検窓からチェーンの張りを確認することができます。
通常、その点検窓にはキャップが付いているのですが、このスーパーカブ90は付いていなかったので一目瞭然。
かなりたるんでいる様子。
センタースタンドでバイクを立てて後輪を回すと、チェーンがチェーンカバーに当たってガチャガチャ、ジャラジャラ音が出ます。
チェーンがたるみ過ぎています。
スプロケットの状態も確認したいのでチェーンカバーを外します。
チェーンは激しくたるんでいますね。
スプロケットはまだ大丈夫そう。
このスーパーカブ90は前々から当店で整備をさせてもらっていて、
以前チェーンとスプロケットを交換した覚えがあります。
修理履歴を調べてみると、1年半くらい前に交換しています。
距離にして約6000km。
このカブのオーナーは激しい荒い運転はされない人なので、スプロケットはまだまだ大丈夫。
チェーンも調整で大丈夫そうなので早速チェーンの張り調整。
まずはアクセルシャフトと、スプロケットハブを固定しているボルト・ナットを緩めます。
そして、アジャストナットを回してチェーンの張り(遊び)を調整します。
このカブはナットとスイングアームの間にスプリングワッシャーが入っているタイプ。
走行中このナットが緩みまないようにする為にスプリングワッシャーが入っています。
バイクによってはスプリングワッシャーは入っていなくてダブルナットで緩みを防止しているものもあります。
その場合はロックナットを緩めてからチェーンの張り調整を行います。
アジャストナットを左右均等に締め込んでいきチェーンのたるみをなくします。
チェーンは張りすぎてもよくないので軽くたるみがあるくらいまで調整。
そして初めに緩めたアクセルナット等を締付けます。
このときチェーンとスプロケットの間にはドライバーなどを挟みチェーンが張った状態にしておきます。
こんな感じですね。
アクセルナット等を締付けたらバイクのチェーンラインを確認。
後ろからチェーンラインを見て真っ直ぐになっていればOKです。
タイヤを回してチェーンも回してあげると分かりやすいと思います。
もし斜めになっていたら左右の引っ張り具合を改めて調整します。
チェーンアジャスターには左右とも目盛りがついていますが、
あくまで目安なので基本的にはこのように目視等で最終確認した方がいいです。
その後実際にバイクに跨った状態でチェーンの張り具合を確認。
チェーンに適当な遊びがあればOK。
張りすぎていたり、たるみ過ぎていたら再度調整です。
また後輪を回すと、部分的にチェーンが張る部分があることがありますが、
この場合は一番張る部分で軽くたるみがでるように調整します。
張りすぎはとにかくよくないので。
問題なければ最後にアジャストナットの締め付け具合を確認して、緩いようであれば締め込みます。
美しい。
チェーンカバーを取り付けると、点検窓からのチェーンの見え方が作業前と違うのが分かると思います。
カブは乗り方によってはチェーンとスプロケットの傷みがかなり早いです。
丁寧な加減速、ギヤチェンジを心がけるとチェーンやスプロケットは長持ちします。
それと、スーパーカブ等チェーンカバーが付いているバイクの場合、
チェーンがたるみ過ぎた状態で長く乗っていると、チェーンカバーが破損することもあるので、
チェーンを長持ちさせる為にも、快適に乗り続ける為にも定期的なチェーン調整をおススメします。