エンジンがかからなくなったライブディオ。
キーONにしてもセルは全くきかずウインカーも反応なし。
バッテリー上がりは確実でここまでの症状だとほぼ交換確定。
2スト50ccの場合、バッテリーが上がっていてもキックでエンジンはかかる筈。
しかしキックしてもエンジンかからず。
お客さんの話だと普通にセルでエンジンかけて、10km以上走ったらウインカーが点かなくなりヘッドライトもすごく暗くなって、しまいにエンジンが止まってしまったとの事。
普通、2スト50ccでエンジンがかからない場合には点火プラグを点検したり、マフラーやエアクリーナーを点検したりするけど、今回は何か雰囲気が違う感じがしたのでまずはバッテリーを交換してみました。
バッテリーはシート下のトランク内。
この中にあります。
取り外したバッテリー。
電圧を測ってみると完全に0V。
交換決定。
今回はコスト的な面からBSというメーカーのバッテリーを使います。
BSバッテリーは海外バイクメーカーのMVアグスタなんかでも純正採用されていて、それなりに信頼性が高いです。
この型式のバッテリーで安めのものを希望された場合には当店ではこのBSバッテリーを使っています。
本当は日本製のGSユアサが一番信頼性が高くて間違いはないのですが、やっぱりいい値段するんですよね。
補充電をしたうえで組み付け。
そしてエンジン始動。
セルですんなりかかりました。
一旦エンジン切って、キックでも試すとこれもあっさりエンジン始動。
バッテリー交換前はキックでもエンジンかからなかったのに何でだろう?
バッテリーが原因だったのか?
とりあえず改めてエンジンかけて充電電圧を点検。
12Vを下回っています。
バッテリー単体で測ったときは12V後半だったのに。
ちゃんと充電されていない。
一旦エンジンを切って、レギュレーターを確認してみます。
レギュレーターはフロントカウルの中。
ありました、ここです。
コネクターが外れたり、外観上は配線に断線等もなし。
とりあえず外してみようと触ってみたら極端に熱い。
レギュレーターは発電して余った余分な電力を熱エネルギーに替えて放出するので熱くなるのは普通なのですが、、、
しかもちょっとしかエンジンかけていないのにこの熱さは特に異常です。
ふと見上げると、
何だこれは?
エンジンかけていないのにライトがうっすら点いている。
ライブディオはエンジンかけないとヘッドライトは点かないはず。
というか2スト50ccは知っている限りどのメーカーの車両も全車エンジンかけないとヘッドライトは点きません。
更に言うと、2スト50ccはエンジンで発電した電気を使ってヘッドライトを点けていてバッテリーは直接関係ありません。
つまり通常あり得ないことが起きている。
とにかく異常過ぎると思い、慌ててキーをオフにしようとキーに手をかけようとすると、
キーはすでにオフの位置。
全くもってあり得ない。
2スト50ccのスクーターがキーがオフなのにヘッドライトが点いている。
急いでバッテリーを外してヘッドライトも消灯。
充電不良、キーOFFでのヘッドライト点灯、レギュレーターの異常発熱。
レギュレーターにはバッテリーからの配線も入っているし、ヘッドライトへの回路にも関係している。
そして異常発熱と来れば9割方レギュレーター不良。
レギュレーター単体での点検はできないけど、状況証拠がほぼ揃ったのでレギュレーター交換。
付いていた古いレギュレーター。
外観上は汚れてはいるけど何ともなし。
たいていレギュレーターの故障は外観上は問題ないことが多いですね。
そして新品レギュレーター。
ピカピカに新品レギュレーターを車体に取り付け。
そしてバッテリーを接続。
ヘッドライトを確認すると、
よしよし、点いていない。
レギュレーターも熱くなっていないです。
そしてエンジン始動前にバッテリー電圧確認。
12.88V。
そしてエンジン始動してアイドリング。
13.84V。
そしてアクセル回してエンジン回転数上げて最大電圧点検。
14.62V。
バッチリ良好、問題なし。
あとはバッテリーをきちんとセットして、
外していた部品を組み付けて完了。
レギュレーターの故障でこんな凄まじい症状を見たのは初めてでした。