ホーンが鳴らないという事で入庫したギア。

ギア

イグニッションONにしてホーンボタンを押してもたしかに鳴りません。

一応エンジンもかけてみましたがそれでも鳴りません。

この手の故障で一番多い原因はスイッチ不良。

その次に多い原因はホーン自体の不良です。

ホーンが付いているフロントカウルが簡単に外せて簡単にホーンにアクセスできれば、

ホーン本体から調べてもいいのですが、この車両は前カゴも付いているのでちょっと面倒。

なのでスイッチから点検します。

ギア

スイッチボックスを固定しているボルト2本を外してスイッチボックスを分割。

ギア

裏側にはところ狭しとライトのハイロー切り替えスイッチ、ウインカースイッチ、そしてホーンスイッチが収まっています。

ホーンスイッチはウインカースイッチの奥にあるのですが、

ウインカースイッチを固定しているビスを外してちょっとずらせばホーンスイッチの端子部が見えます。

ギア

奥に見える半田の部分がそれ。

ギア

イグニッションをONにしてこの半田部をショートさせれば通常ホーンは鳴ります。

鳴ればスイッチ部が不良、鳴らなければホーン自体が不良の可能性が高くなります。

早速適当なテストハーネスを使って端子部をショート。

”ビー”と鳴りました。

したがってスイッチ部での不具合の可能性が高まりました。

ホーンスイッチの接点部を点検する為にはウインカースイッチを取り外す必要があります。

ウインカースイッチを取り外す為にはウインカースイッチノブ?を外します。

ギア

これですね。

ギヤの場合は嵌っているだけなのでちょっとこじって外します。

ギア

そして裏側に戻ってウインカースイッチを外します。

そしてホーンスイッチを固定しているビスを外してホーンスイッチも取り外します。

ギア

外したホーンスイッチをよく見てみると、

ギア

スプリングの奥に接点が見えるのですが、

ギア

やはり被膜ができていそうです。

おそらく原因は接点部の接触不良と思われるので、

スプリングを取り外します。


ギア

改めて両側の接点部を見てみるとやはり被膜ができていて接触不良を起こしているようです。

両側とも接点部を研磨して被膜を除去。スプリングの座の部分も一応研磨します。

作業前、

ギア

と研磨後。

ギア

別角度から、

ギア

こっちの方がかなり分かりやすいですね。

もう片側の方も、


研磨前、

ギア

と研磨後。

ギア

すごく分かりづらいのでこれも別角度から、

ギア

多少はこっちの方が分かりやすいですね。

ギア

腐食・被膜対策で薄くグリスを塗ってからスプリングを組んでスイッチを押してみます。

”ビー”っとしっかり鳴ってくれました。

あとは組み上げて完成です。

ギア

ギア

ホーン不良はバイクでは意外とよくある不具合です。

通常、あまりホーンは使わないと思うので接点部に酸化被膜ができてしまい、

いざ鳴らそうと思うと接触不良で鳴らなくなってしまう、といった具合です。

頻繁にホーンを鳴らせばこれは防げますが、

そうそう頻繁に鳴らせるものでもないと思います。

それなのでたまに迷惑のかからないところでホーンスイッチを押してみて、

もし鳴らないようであれば修理にもって来て下さい。

ホーンなんてめったに使わないから鳴らなくてもいいよ、って人もいるかもしれませんが

法律上鳴らなければいけないものです。

実際、ホーンが鳴らなくて整備不良で取り締まられたお客さんもいました。

たまには鳴らしてみてあげて下さい。