「バッテリーを交換して欲しい。」
そういうオーダーで2ストのジョグが入庫しました。
これまでもウインカーの点滅は不規則で安定していなかったらしいのですが、
ウインカーがとうとう点かなくなってきたとの事。
ずっとバッテリーが上がったままで、何とかごまかしながら乗っていたようです。
2ストはバッテリーが上がってもキックでエンジンかければ、走るだけなら何とかなっちゃうんですよね。
ちょっと心配なのは、ずっとそんな調子でバイクを使っている事でバッテリーが完全にダメになり、
発電・充電系統に負担がいってそっちまでダメになっていないかということ。
このジョグはスピードメーターが電機式のもので、
イグニッションキーを”ON”にすると最初にスピードメーターの針が0~60km/hまで動くという
50ccとしては何とも贅沢なギミックが標準で付いています。
が、この車両はそれすらも全く動かないくらいにバッテリーが上がっています。
というかバッテリーは完全にダメになっている様子。
足元のこのカバーの中にバッテリーが入っています。
早速カバーを外してバッテリーとご対面。
ん?
端子の部分が錆びているみたいですね。
結構錆びている、、、
いやいや、これはかなりヤバイ。
もう一方の端子は、
同じくヤバイ。
ホントはどっちも六角の頭で真ん中にプラスドライバーで回せるように”+”がきってあるボルトのはずなんですが、、、
”+”は見えなくなっていてプラスドライバーで外すことはできない。
となれば通常ボックスレンチ等で六角部を回すのですが、このボルトは本来8mmのボックスが合うはず。
8mmを合わせると全然六角部と合わず、ボックスレンチが空回り。
普段は使わない7mmは合わせてみても入らず。
そもそもボルトの頭の高さもかなり低くなっている。
それによくよく見ると何だか車体側ハーネスの端子とボルトが一体化している?
これは単なる錆なのか?
錆びた上に電気的な何かが起こって化学変化起こして溶着・溶接まがいな事が起きてる?
とにかくボルトの頭は小さくなってて完全に一体化してしまっています。
ボックスレンチが使えてても回して外すことは出来なさそう。
プラスドライバーが使えてもなおさらムリそう。
ここまでヒドイ事になっているのは初めて見ました。
こうなったらボルトの頭を飛ばすしかないのですが配線に余裕がなくかなり狭いスペースなので、
リューターを使いました。
早速研削。
固い。
とにかく固いです。
やはり何か変質してしまっている感じ。
やっとの思いで片側終了。
もう片側は少しハーネスに余裕があったのでバッテリーごと少し取り出してサンダーで作業。
削っている途中ですがやはりサンダーの方が早い。
で、ようやく両側とも削り完了でバッテリー無事取外し。
車体側ハーネスのバッテリー端子部と接触する部分の錆?を落として新しいバッテリー装着。
エンジンをかけて充電電圧を測定するとほぼ全回転域で14.0~14.6V。
発電・充電系統は大丈夫なようで一安心。
ホントは端子部の錆は全部取りたかったんですが、
端子周辺が弱っている感じがあったのでムリして端子周りを破損させてしまっても厄介だったので
今回は必要最低限の部分だけにしておきました。
理想は車体側ハーネスをもう少し手前から切断して新しく作り直したいところでした。
が、オーナーの意向などもあるので、、、
上がっているバッテリーを放置するとここまでヒドイ事になる事もあるんですね。
バッテリーは早めの交換がおススメです。