エンジンから少しなんですけど異音がするようになりました。
ジャラジャラと言うか、ガラガラと言うか言葉にすると表現しづらいのですが、
そういった感じでの連続音。
カワサキのDトラッカーです。
KLXも同じエンジンですね。
このエンジンからのジャラジャラ音はほぼ間違いなくカムチェーンの音。
エンジン内にはカムチェーンを押さえつける為のテンショナーが付いていますが、
よほど古いバイクでない限りこのテンショナーはオートテンショナーとなっています。
つまりチェーンが伸びたりして遊びが大きくなってきた場合に自動で張りを調整してくれるという事です。
たいていその仕組みはバネを利用したものなのですが、
そのバネの力が弱かったりするときちんとチェーンを張ってくれません。
今回はこのオートテンショナーを少し手動で調整してみます。
Dトラッカーのテンショナーはエンジンのシリンダーヘッド右後ろに付いています。
まずは実際にテンションをかけているスプリングを外す為、テンショナーの真ん中の大き目のボルトを外します。
ここを緩めていくと多少エンジンオイルが出てきますが少量しか出てこないので下にウエスでも敷いておけば大丈夫。
ボルトをガスケットと一緒に外して中から細いスプリングも取り出します。
このスプリングの力を使って自動でチェーンを張っているという事ですね。
次にテンショナー本体を留めている左右の小さ目のボルトを外します。
するとテンショナー本体がシリンダーヘッドからすこし浮きました。
少なからずカムチェーンにはテンションがかかっていたという事ですね。
そのまま真っすぐにシリンダーヘッドからテンショナーを抜きます。
これがテンショナーです。
シリンダーヘッド内部に入っていた部分にギザギザがついている部品が見えます。
このギザギザのついている部品の先端の平べったい部分でカムチェーンガイドを押すことでカムチェーンの張りを調整しています。
そしてこの部品をさっきのスプリングが後ろから押すことで自動としている訳です。
ギザギザはノッチになっていて引っかかる事で通常この部品が押し戻されることはありません。
今のこの状態から慎重に引っ張って1ノッチ分引き出します。
そして今までの逆の手順で組み付け。
本体をシリンダーヘッドに組み込むと先ほどまでよりシリンダーヘッドから浮いた状態になりました。
その分カムチェーンを押してくれる事になります。
手でテンショナー本体をシリンダーヘッドに押さえつけながら左右のボルトを組み付け。
手で押さえきれない時は、左右のボルトを交互に少しずつ締め付けていきます。
そしてスプリングを入れて、センターのボルトをガスケットと一緒に組み付けます。
これで完成。
これでまだ異音が出るようであれば更に1ノッチ引き出しますが今回はこれで見事に異音はなくなりました。
DトラッカーやKLXは走行距離があまりいっていなくてもカムチェーンからの異音がするケースがあります。
その場合には今回の方法はかなり有効です。
ただ気を付けなければならないのは、まずチェーンを張り過ぎない事。
つまりいっぺんに2,3ノッチ引き出したりせず、1ノッチずつ引き出して様子を見ながら調整するという事です。
張りすぎれば当然チェーンには過度な力がかかりフリクションロスになるし、
チェーンが伸びやすくなったり、最悪チェーンが切れる可能性もあります。
また、チェーン調整をするという事は基本的にチェーンが伸びている可能性が非常に高いです。
走行距離がそこそこいっている車両の場合にはチェーンがかなり伸びている事も考えて、
チェーン交換も視野に入れておいた方がいいです。
一応言っておくとカムチェーンが切れると修理代はかなりの高額になります、、、
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