BJ フューエルセンサー (4)

ヤマハの2ストスクーターのBJ。

BJはBasicJOGの略で、ジョグの廉価版として販売されていました。

それでもエンジン性能等はほとんどジョグと同じで、

他の部分でコストを削減して定価を抑えていました。

まぁそんなBJですがこの車両はフューエルメーター(燃料計)が作動不良。

ガソリン入っているのにキーをONにしても針が上がってこない。

BJ フューエルセンサー (3)

もちろんバッテリーは問題なく、エンジンをかけても針は上がってきません。

この手で一番多いのはメーター裏の配線の接続不良。

機械式のフューエルメーターの場合、たいてい3本の配線がメーター裏にネジでそれぞれ接続・固定されています。

それが緩んできて接触不良を起こしてメーターが作動不良。

今回もそこかな、と思いながらライトカウルを外してフューエルメーター裏の3本の配線をチェック。

、、、緩んでいない。

ドライバーをあててみると全く緩んでいませんでした。

一応軽く増し締めしてメーターをチェック。

やっぱり針はあがってきません。

となると、ガソリンタンク内のフューエルセンサーか?

試しにガソリンタンクキャップを開けてタンク内を覗き込んでみるとフューエルセンサーのフロートが見えるので、

長いドライバーを使ってフロートを動かしてみました。

するとメーターの針が動く。

一番上までフロートを動かしてみたら針も元気に”F”まで上がります。

って事はフューエルセンサーのフロートの作動不良っぽい。

さっそくセンサーを取り外す為に今度はシート周りのカウルを外します。

そしてガソリンタンクからセンサーを取り外し点検。

フロートの動き自体におかしな感じは全くなし。

タンクから外した状態のまま車体側のコネクターに繋いで手動でフロートを動かすと

フューエルメーターの針は正常に動きます。

という事はフロートが重くて浮かない?

ガソリンの中にフロートを入れてみるとやはり浮いてきません。

もしかしたらフロート内にガソリンが入っている?

でもフロートを振ってみても中で液体が動いている音はしません。

何れにしてもセンサーは新品交換決定。

BJ フューエルセンサー (8)

新品センサーを組み込んでキーをONにするとフューエルメーターはあっさり正常作動。


BJ フューエルセンサー (2)

修理完了!

 

で、なぜフロートが浮いてこなかったか気になるので外したフロートにキリで穴を開けてみました。

BJ フューエルセンサー (7)

はじめ小さく2回刺してみて、そのあと確実に中まで貫通するように深く刺してみました。

結果、中にガソリンは入っていませんでした。

でも何か変。

改めてキリで刺してみます。

BJ フューエルセンサー (5)

分かると思いますが、刺した部分の周りがシミのようになっています。

BJ フューエルセンサー (6)

キリで刺すと、ジュワッっと何かが沁みだしてきます。

沁みだしてきているのはもちろんガソリン。

試しに爪で押してみても、それだけで沁みだしてきました。

こんなのはじめて見ましたが、フロートがガソリンをたっぷり吸っちゃっていました。


そのせいで重くなって浮かなくなっちゃったんですね。

でも、これってはっきり言って設計不良!?

コスト削減で無理し過ぎた感が、、、

ただ、今回の新品のフューエルセンサーの部品番号は末尾が”01”となっていたので設計変更しているっぽいです。