ホンダのスーパーディオ。
もう20年以上前のバイク。
色はチグハグなことになっているけど中身は絶好調で、今でも現役バリバリな車両です。
この頃のバイクは意外と丈夫なバイクが多い。
とは言っても、やはりゴム系の部品なんかは経年劣化による傷みが出てきます。
今回の修理もそういった部分の不具合。
エンジンオイル漏れ。
ただ当初、お客さんはエンジンオイル補充したら溢れちゃって漏れたみたい、との事。
このエアクリーナーボックスの上にちょうどエンジンオイルのオイルタンクがあるので、たしかにそうかも。
ただスーパーディオの場合、オイル漏れの原因になる弱いところがあるんですよね。
そこから漏れた場合も、ちょうどこのエアクリーナーボックスが汚れてきます。
それなので一応点検。
メットインのトランク外して覗いて見ると、
オイルタンクが見えて、ちょうど向かって右の方にオイルレベルセンサーが見えます。
スーパーディオはここが弱いんです。
スーパーディオに限らずホンダの2ストは古くなってくるとここが弱い。
見た感じあやしいので更に分解。
リヤキャリア外して、
サイドモール外して、
サイドカバーを丸ごと取外し。
これで良く見えるようになります。
ここ。
やっぱりオイルタンクとオイルレベルセンサーの間からオイルが漏れ滲んできている。
実はこの部分、一度パーツクリーナーでキレイにしてから一晩置いています。
キレイにした直後は合面はもちろん乾いた状態。
一晩経って薄っすら光るものが登場しました。
まだそんなに酷い漏れではないけど時間の問題なので修理決定。
何はともあれセンサーを取り外すのですが、、、
現状オイルタンク内のオイル量はレベルセンサーが差込まれている部分の遥か上。
このまま抜いてしまうとオイルレベルセンサーが固定されている部分よりも上に入っているエンジンオイルが溢れ出てきてしまうので抜き取っておきます。
次にセンサーに差込まれている端子を抜いて、
センサーを上に引っ張り出します。
かなり軽い力で引き抜けました。
やはり嵌め合いが緩くなっている様子。
しかしフレームが邪魔してこれ以上抜けず。
それなのでオイルタンクを少しだけずらします。
オイルタンクを固定しているこのボルトを外して、少しオイルタンクをずらすと、
抜けました。
これがオイルレベルセンサー。
中に浮き(フロート)が入っていてその浮力を利用してオイルの量を判断。
シンプルな原理です。
これの、
この部分がオイルタンクに圧入されるんですけど、当然ゆるゆるだと隙間からオイルが漏れてきてしまいます。
もちろん新品時はキツキツです。
でも経年劣化でゴムが痩せてきて緩くなってきちゃうんです。
今回も抜くとき、かなり軽く抜けたので痩せてきてしまっています。
それなので新品に交換するのが通常修理ですが、ここはシールテープを巻いて対応する事で修理できます。
何年も前から何台ものホンダ2スト車に行ってきましたが、その後また漏れてきたという報告はきていません。
まずは脱脂の為パーツクリーナーで清掃。
そしてシールテープ登場。
オイルタンクとの嵌め合い部分に巻きつけます。
今回は4周くらい巻きつけました。
何回巻きつけるかは取り外す時の緩さ具合から何となく判断して、
あとは嵌めこんでみて調整します。
かなりキツク嵌め込みができました。1発OK。
車体を斜めにしてオイルタンク内のエンジンオイルの油面がセンサー嵌め合い部にまでくるようにしてしばらく置いてみましたが、漏れは全くなし。
バッチリOKです。
あとは元通りに組み直して修理完了。
オイルレベルセンサーはこの車両の純正部品で今現在の定価が約¥2500。
そこまで高いものでもないので交換してもいいですが、
部品の取り寄せになるので当日では修理が終わらないのと、エコにもなるので当店ではこの方法で対応する事が多いです。