ヤマハのビーノに乗っているお客さん。
「何だか走っていると後ろの方から変な音がするんです」
エンジンがかかっていても停まっている時にはその音はしないという事なので、
駐車場内でちょっと乗ってみて確認。
異音らしい異音は感じられず。
すぐそばでお客さんも見ていたので、今異音がしていたかどうか聞いてみると多分していなかった、と。
改めてよくよく聞いてみると、そこそこスピードが出ている時の方がその音は出るとの事。
とりあえずリヤタイヤ周りを目視で点検。
何かがタイヤとかに干渉したりはしていなさそう。
一応フロント周りも同じく目視点検。
こちらも特に問題はなさそう。
で、何となくちょっと強めにシートを上から押してサスペンションを沈めて手を放すと、
”ガコッ” と音がして、お客さんが「あっ、この音この音」と。
これっ!?
改めてシートを押してリヤサスペンションを縮めて一気に手を放す。
”ガコッ”
何度か繰り返すと、
”ガコッ、ガコッ、ガコッ”
結構いい音がします。
それと同時に車体にも振動、というかちょっとした衝撃が伝わってくる。
どうやら原因はリヤサスペンション自体っぽい。
とりあえずリヤサスペンションは動き的に完全に抜けてしまっている。
因みに ”抜けている” というのはサスペンションのダンパー機能が失われてしまっている事で、決して物理的に抜けて分離でもしてしまうとかではないです。
それなので完全に抜けているという事になると、もはやバネだけのサスペンションになってしまっているので走行中ずっとボヨンボヨンした動きになってしまいます。
リヤサスペンションの下の汚れがひどいのはおそらく漏れたオイルのせい。
それにしても音が出た時の衝撃が結構でかいのでちょっと怖い。
という訳でリヤサスペンションの交換決定。
50ccスクーターのリヤサスペンションはスポーツバイクのサスペンションみたいにバカ高くはないので経済的にも交換しやすいですね。
どちらからでもいいんだけど、まずはリヤサスペンションの下側を固定しているボルトを外して、
次に上側のボルト・ナットを外せばリヤサスペンションは簡単に外れます。
ビーノはカウル外したりしなくてもリヤサスペンションが脱着できるからいいですね~。
けっこう真っ黒。
で、新品の純正サスペンションを組み付け。
スプリングのピッチが少し違うけど設計変更でもあったのかな!?
新品組み付け後、シートを押してみるといい感じの沈み込み具合。
そして手を離すとスーッと戻ってくる。
当然異音はしません。
バイクを押し引きするだけでもその差は歴然。
これは乗り心地もメチャクチャ改善されるはずです。
50ccスクーターなんかだと、けっこうリヤサスペンションが抜けていてもそのまま乗っている人が多いのが実状。
コーナーなんかをガンガンに攻めたりしなければ乗れない事はないので、まぁいいんですが、アブナイと言えばアブナイので交換するに越した事はありません。
何より乗り心地がジェントルになって、より気持ち良く乗れるはず。
っていうか、実際サスペンションが抜けている事に気付いていない人は意外と多いです。