ヤマハのジョグポシェ。
フロントのカウルが割れてしまったという事で入ってきました。
見事に割れています。
基本的にはカウル交換。
ただカウルって結構いい金額します。
このカウルもライト周りからバスケット周りまで一体物のカウルなのですが、
金額を調べてみると部品代だけで1万円以上。
工賃まで入れたら1万円代半ば。
お客さんもそこまで出して直すのはちょっと厳しいとのこと。
じゃあ、これくっ付けれないか? と。
キレイに割れたこの破片を出されましたが、
基本的にくっ付ける修理は行えないと伝えると、
じゃあ、自分でボンドでくっつけようかな~、と。
いやいや、ボンドなんかじゃすぐ落ちます。
見た目でヒビが入っているのはこの際どうでもいいけど、
現状のようにポッカリ穴が開いたままは嫌だということらしい。
そういう事であれば、カウル交換の半分くらいの金額でしっかりとくっつけましょう、
と提案し、そうする事になりました。
使うのはこれ。
プラリペアです。
専用の粉と液体でカウルなどのABS樹脂を強固にくっ付けることができます。
ただし、ちょろっとくっ付けただけでは大した強度はなく、
ちゃんと強度をもたせる為にはきちんと手間をかけて作業する必要があります。
それとプラリペアで修正した部分は見た目的にはキレイになりません。
それなのでカウルの裏側からプラリペアを使って作業します。
もちろんカウル表側には割れの線が残ります。
これも何とかしたいとなると、パテ埋めして塗装。
ここまでやると新品部品代をあっさり超えてします。
当然今回はそこまではやりません。くっ付けるまでです。
さてさて早速作業。
当然カウルを取り外して作業します。
取り外したカウルに破片を合わせてみると、そこそこぴったり合います。
じゃ、そのままプラリペアを使って修理。
の前に、一手間。
接着面積を増やす為にカウル裏側の割れ部分をリューターで削ります。
V字にする感じです。
もちろんカウル表側まで達しない程度に。
割れ部分に沿って削ります。
こんな感じ。
その上でプラリペアを使います。
割れ部分よりも広範囲にプラリペアを使ってくっ付けます。
表から見ると、
割れの線は残ってしまいますがしっかりくっ付いています。
実際プラリペアをどういうふうに使うかと言うと、
リューターで削ったこの割れに沿ってプラリペアの粉をふりかけます。
そして溶剤(液体)を塗り(垂らし)ます。
そしてこの上からまた粉をふりかけます。
そしてまたこの上から液体、といった繰り返しです。
いっぺんにたくさん粉を使って厚くするよりも、薄く徐々に広範囲にやっていった方がしっかりくっ付きます(経験談)。
とにかく何層もやっていきます。
出来上がりはこんな感じです。
もとの破片側を持って、カウル全体を持ち上げても何ともありません。
他にも小さく2か所割れていたのでそこもくっ付けておきました。
直したカウルを車体に組付けて完成。
割れの線は残っていますが、ぽっかり空いた穴はなくなりました。