少し前のフォルツァZ。
MF08という型で、初めてスマートカードキー(キーレス)になったフォルツァ。
その中でもホイールがゴールドだったりするちょっとスペシャルなモデル。
シートが破れちゃったりはしていますが、、、
そんなMF08フォルツァZがバッテリー上がりで入ってきました。
実は先日バッテリーを新品交換したばかり。
その時もバッテリーが上がったという事でのバッテリー交換。
ウチではたいていバッテリー交換した際には車体の充電電圧も点検します。
その時も補充電した新品バッテリーを車体に組付けてから充電電圧も測定しました。
ただ通常よりも少し低めの13V前半という充電電圧。
お客さんにもちょっと充電電圧が低いからよく調べた方がいいかも、とお話しました。
が、このフォルツァZは通勤でも使っているのでできればすぐにでも乗って帰りたいとの事。
一応バッテリー単体での開放電圧よりも充電電圧の方が高いので、
とりあえずはすぐにどうこうなる事も滅多にないだろうと思い、
怪しかったらすぐにまた相談して下さいと伝えて、お客さんは乗って帰りました。
そして今回の入庫。
怪しいと思っていた通りになってしまいましたが、思っていたよりもすごく早く再入庫となってしまいました。
バッテリー交換した時にムリを言ってでももう少し預かって調べておくべきでした。
で、まずは先日交換したバッテリーの現在の電圧を点検。
バッテリーのプラスとマイナスの端子にテスターを当ててみると11V。
やはり上がっています。
極々 稀に新品バッテリーでもダメなものの事があるので一応点検します。
バッテリーを外して点検してみてもバッテリー自体に異常はなさそう。
最近は激安バッテリーなんかも出回っていますが、そういったバッテリーだとちょくちょくあります。
そして店にある元気なバッテリーをつないでエンジン始動。
充電電圧を測定すると12V台。
やはり充電系統に異常がありそうです。
まず疑うのはレギュレーター。
ただレギュレーター単体での点検は実際できないので、
レギュレーターの交流入力電圧と直流出力電圧を点検して判断します。
MF08フォルツァのレギュレーターはこの中。
外装を取外し。
現れました。
これがレギュレーター。
余分に発電された電力を熱に変換して放出するのでフィンが付いています。
黄色い配線3本のコレクターが入力電圧。
もうひとつのコネクターが出力電圧側。
まずは出力側のコネクターを外してエンジンをかけてレギュレーターからの出力直流電圧を点検。
14V以上でていて、14V半ばがMAXですごく正常。
あれっ?
ここで改めて外した出力側のコネクターを繋いでコネクターの隙間からテスターを差込み、出力電圧を測定。
12V台になってしまいました。
一応、入力側のコネクターを外して交流入力電圧を点検。
しっかり元気に発電しています。
エンジン回転数を上げていくとどんどん上がって40V以上余裕で発電。
各数値的にレギュレーターは正常。
ってことはステーターコイル(発電機側)が怪しそう。
3本の黄色い配線のそれぞれの黄色い配線同士の抵抗を測定。
どれも問題なし。
まぁ、予想通り。
そして黄色い配線とボディーアース間での導通点検。
導通あり。
予想通り。
ここの導通ありはNGです。
原因はステーターコイルと判明。
早速ステーターコイルを取り外します。
マフラー等の部品を外して、
このケースカバーの内側にステーターコイルが入っているので
エンジンオイルを抜いてケースカバーを取外し。
ケースカバーと一緒にステーターコイルが現れます。
ステーターコイル登場!
見事に焼けています。
ケースカバーからステーターコイルを取外して焼けてるところをよく見てみます。
けっこう激しく焼けていますね。
おそらくここで巻かれているコイルが内側の鉄心とショートしてしまっていると思われます。
こちらが新品。
当たり前ですがとてもキレイ。
ケースカバーも張り付いていたガスケットなどをスクレーパーなどで除去して清掃。
相手側のケースに残っていたガスケットもキレイに取り払って清掃。
何気にこのガスケットを取り払ってキレイにする作業が一番大変です。
ケースカバーに新品のステーターコイルを取り付けて、
新品ガスケットを入れて車体に組付けます。
取外した部品たちを元通り組付けて、エンジンオイルを入れて完成。
エンジンをかけて充電電圧を測定するとバッチリ14V以上。
もちろんこの作業のあいだにバッテリーは単体で充電器で充電しておきました。
今回のステーターコイルの焼損はもともとの弱点というのはありますが、
エンジンオイルの早めの交換を行うことでなりづらくなるかもしれません。