スズキの2スト50ccのヴェルデというバイクが入庫しました。

以前に比べて最近ヘッドライトが暗いという事。

エンジンかけてみると確かに暗い。

対向車からははっきり見えるけど、路面は全く照らせていません。

50ccのバイクのヘッドライトはたいていがエンジンで発電した電力で点灯しています。

セルでエンジンがかかるくらいバッテリーが元気でも、発電や整流部分の不具合でヘッドライトが点かなかったり暗くなったりすることがあります。

(整流っていうのは発電した電気を整えることで、話が長くなるので今回は割愛します)

またその発電したところからヘッドライトのバルブ(電球)までの間の配線やコネクター等の接触不良でも点かなかったり暗くなったりします。

ヘッドライトが点かない場合、圧倒的に一番多いのはバルブの球切れ。

次いでバルブ周辺の接触不良やヘッドライト関係のスイッチ周りの接触不良。

ただヘッドライトが暗くなったという場合、個人的にはどこかの接触不良が一番多く感じます。

バルブが原因という事もありますが、接触不良よりも数は少ない感じ。

何はともあれ、まずはバルブの点検。

早速バルブを外してみると、

とりあえず普通な感じで外見上異常は見受けられず。

フィラメントを見てもハイもローも切れかかったりしていません。

試しに12Vバッテリーに直接つないで点灯させてみると、、、

ハイもローもしっかり明るく点灯。

ってことはバルブは問題なさそう。

なので、バルブは元に戻して改めてエンジンかけてみます。

あれっ、点かなくなった。

さっき一度取り外す前までは暗いながらもしっかり点いていたのに全く点かない。

それもハイもローも。

エンジン止めて、改めてバルブの取外しをしようとソケットに手をかけると、ん?

僅かにグラツキがある。

試しにそのソケットの部分を押さえながらエンジンかけてみるとヘッドライトは点きました。

それも明るい。

で、その部分を押さえないでみると消えた。

原因の場所は判明。

ただソケットをよく見ても変形などもなく大きな問題はなさそう。

それなのになぜバルブにソケットを組み付けるとガタがでる???

改めてバルブを点検。新品バルブと比べてみます。

向こう側が新品で手前が付いていたもの。


比べてみても違いが見受けられず、おかしな感じはなし。

で試しに新品バルブを組んでみたら、、、

ガタつきなし。

なぜ???

で、注意深くよーく見てみたら、

ちょうど写真の真ん中らへん、ちょっと黒っぽい縦筋みたいのが見えます。

これか?

バルブ本体に対して周りに付いているリング状の部品がほんの少しずれている感じ。

本来はロウ付けか何かでくっついているので動かないはずですが、、、

電球が落ちた!?

ここがずれると組付けた時にソケットとの距離が変わってしまうのでガタつく可能性があります。

上の写真の矢印の寸法です。


でも見た目ほとんど違わないけど、、、

一応寸法測ってみたら0.5ミリも違っていませんでした。

でも何度やっても付いていたバルブだとガタついて、新品バルブだとガタつき無し。

やっぱりここが原因。

結局バルブを新品に交換して完了。

こんな僅かな寸法の違いでもこういう不具合が起きることがあるんですね。

もうちょっと余裕をもたせて設計してくれればいいのに。