リコイルを使ったメネジの再生です。

リコイル

今回はキャブレターのメネジに使いました。

一部のキャブレターは車体に組付ける為にキャブレター本体に固定用のメネジがきってあります。

たいていは2本のボルトで固定する為にインテークマニホールドとのジョイント部に対角にメネジがきってあるのですが、

片方のネジ山が完全にねじ切れてて使い物にならなくなっているキャブレターがありました。

今回はここにリコイルを使ってネジ山を再生します。

リコイル

リコイルkitの中身はというと、

リコイル

これらが一式なのですが、ネジ径、ピッチによってそれぞれ専用品になるので、

この一式で対応できるのはM6-P1.00のみになります。

まずは付属の専用ドリルを使って下穴をあけます。

リコイル

ちなみにこの専用ドリルの径は約φ6.4でした。

普通は持っていない径ですよね。

これを手持ちのハンドドリル等にセットして、

リコイル

潰れたネジ部の穴を拡げます。

リコイル

リコイル

次に付属の専用タップを使ってネジ山をきります。

リコイル

タップとタップハンドルを組み合わせて、

リコイル

先ほど空けた下穴にあてて、

リコイル

ネジ山作成。

リコイル


完成。

って、完成したのは目的のサイズのネジ山ではないです。

当たり前ですが。

これではどう考えても目的のサイズより大きくなってます。

リコイルインサートを挿入する為のネジ山の完成でした。

これからここにリコイルインサートを入れます。

リコイル

リコイル

先ほどのタップハンドルがインサート挿入用の工具にもなっています。

リコイル

この工具の先端部に一文字に溝が入っていますが、

この溝にインサートの直線部分をはめて、先ほど作ったネジ部に挿入します。

リコイル

こんな感じですね。

リコイル

入れる深さを確認しながら作業します。

基本的に入れ過ぎたからと言って抜くことはできないのでそこだけは慎重に。

リコイル

入れ終わりました。

ただこのままだと入れる時に工具に引っ掛けていた真ん中の直線部分が邪魔になります。

奥の方に見えていますね。


これを最後に折ります。

挿入用の工具を改めてセットして上から軽く叩くだけです。

すると簡単に先端だけ折れてくれます。

リコイル

もともと簡単に折れるように切り込みが入っているのでこのようにキレイに折れるんですね。

リコイル

これで完成です。

 

もとはアルミのキャブレターボディーに直接メネジがきってあったものですが、

リコイル用のインサートは通常SUSを使っているので今までよりも丈夫になっています。

インサート自体はアルミボディーにねじ込まれているわけですが、

これも一回り径が大きくなっているし、

インサートに加わる荷重のかかり方も計算されているので安心です。

ネジ山がダメになった場合、リコイルを使って今回のように再生することも可能です。

いつでもご相談下さい。