アドレスV125G。

エンジンがかからなくなったとの事で入庫。

スタータースイッチを押しても何にも反応しないという事で試してみると確かに無反応。

バッテリーかな、と思いつつもブレーキレバーを握ってテール周りを見てみると暗い。

ブレーキランプが点灯していない。

フロントブレーキを握っても、リヤブレーキを握っても一緒。

もしかしたら単なる電球の玉切れかもしれないけど、スタータースイッチを押して無反応だからブレーキスイッチの不具合かも。

ただ、左右ブレーキ両方ともだからどうかな~

などと思いつつブレーキスイッチの点検から行うことにして、


 

 

 

 

 

ヘッドライト周りのカウルを外します。


 

 

 

 

 

そして早速見えました、ブレーキスイッチ。


 

 

 

 

 

フロントブレーキのスイッチ。

そして左側のリヤブレーキスイッチ。


 

 

 

 

 

アドレスV125はフロントが油圧ディスクブレーキで、リヤがワイヤー式のドラムブレーキだからスイッチの形状や取り付け方が左右で違います。

まずはフロントのブレーキスイッチから点検。


 

 

 

 

 

スイッチに入っているコネクターを脱着。


 

 

 

 

 

そしてそのコネクターを直接短絡(ショート)させます。

すると、


 

 

 

 

 

ブレーキランプ点灯。

電球は生きていたらしく問題なく点灯。

試しにこの状態でスタータースイッチをON。


 

 

 

 

 

すんなりエンジン始動。

エンジンも問題なさそうですね。

って事でブレーキスイッチ自体の不具合の可能性が高い。

今度はフロントブレーキスイッチ自体の点検。

まずはこのままの状態でブレーキを握った時にスイッチが反応しているか一応点検。


 

 

 

 

 

スイッチの端子にテスターをつないでブレーキレバーを握ったり離したり。

テスターに何の変化も現れず、、、

やはりスイッチ自体の不具合っぽいのでブレーキスイッチの取り外し。


 

 

 

 

 

フロントのブレーキスイッチは下側から小さなネジ1本で取り付けられているのですが、ネジがめちゃくちゃ錆ててプラスドライバー差し込めず。

そこで登場!


 

 

 

 

 

ネジザウルス。

これでネジの頭を周りから掴んで回して外します。

単純明快な外し方だけどネジザウルスはかなりガッチリネジの頭を掴んでくれるので、普通のプライヤーを使うより何十倍もやりやすいです。

まぁこれでも回らない事も多々ありますが、、、

今回はそんなにトルクもかかっていないところであり、更に掴みやすい状況なのですんなり外れました。


 

 

 

 

 

ひどいネジ。


そしてスイッチを点検。


 

 

 

 

 

一目で不良と分かるスイッチ。

本来何も力がかかっていない時には出てくれてなくちゃいけない部品が引っ込んだままになっています。

そのせいでブレーキレバーを握っても、スイッチは反応せずブレーキレバーを握ったと認識してくれていなかったんですね。

これはもうスイッチ自体新品に交換決定。

 

 

 

 

 

ネジもセット。

今回はネジもサビサビだったので丁度いい。


 

 

 

 

 

設計変更されていて形状が変わって防水仕様。

これは以前スカイウェイブのブレーキスイッチでも同じでした。

その時の記事はこちら→ ”スカイウェイブ250SSの始動不良 そして小さな部品の進化”

新品スイッチを新品ネジで取り付けて、


 

 

 

 

 

フロントブレーキレバーを握るとブレーキランプ点灯。

これでフロントブレーキスイッチ修理完了。

で、次はリヤ側。

フロントと同様に点検していきます。

リヤブレーキスイッチのコネクター。


 

 

 

 

 

接続を外して、フロント同様にショート。



 

 

 

 

 

フロント同様ブレーキランプ点灯。

やはりこちらもブレーキスイッチの不具合の様子。

リヤブレーキスイッチ脱着。


 

 

 

 

 

フロントのスイッチとは構造、形状が全く違います。


 

 

 

 

 

こちらは分解できるので分解。


 

 

 

 

 

まずはグレーの樹脂部品を外してずらして、


 

 

 

 

 

次に黒い樹脂の部品を外します。


 

 

 

 

 

スイッチの要の接点部が登場。


 

 

 

 

 

これらの部品も外して点検。


 

 

 

 

 

この真ん中の金属部分と、


 

 

 

 

 

この2枚の金属部品が接触することで電気が流れる仕組みですがどちらも被膜や錆が出てきてしまっているので研磨して除去。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

研磨した上で再発予防にグリスを薄く塗ってから元通りに組み付けていきます。

 

 

 

 

 

 

組み上げたところでテスターを使ってチェック。

 

 

 

 

 

 

この状態からスイッチ先端を押すとブレーキレバーを離した状態になるので、この時は接点が導通していてはダメ。

テスターを見てみると、


 

 

 

 

 

導通なし。OK。

で、押していたスイッチ先端を離す。

これだとブレーキレバーを握った状態。

テスターはというと、


 

 

 

 

 

抵抗値0オーム。

実際0オームってことはないですが測定レンジ大きくとっているので約0オームっていうことですね。

抵抗値が0オームっていうことは、ほとんど抵抗がないということで電気が非常に流れやすいということ。

電気が流れてブレーキランプが点灯するということなのでOK。

リヤブレーキスイッチも元通り車体に組み付け。

フロントブレーキを握っても、リヤブレーキを握ってもばっちりブレーキランプ点灯。

そしてもちろんスタータースイッチでエンジン始動も問題なし。


 

 

 

 

 

 

 

修理完了!

 

ですが、アドレスV125はそもそもキックペダルが付いてます。

バッテリーが上がっていなかったならキックでかければ良かったんじゃん、って思われる方も多いかと。

その通り。

 

 

 

 

 

 

が、この車両キックペダルはキックペダルでアーム部分が固着しちゃってました。

それなのでセルでもキックでもエンジンがかけられなかったのです。

いざという時のキックペダルですが普段使わないので、すっかり錆などで固着してしまったのです。


 

 

 

 

 

いざという時のものがいざという時に使えないという、、、

これってクラクションなんかも同じ感じだったりします。

これはこれでいただけないので潤滑剤をしつこく吹いてプラハンなどで衝撃を与えていったら何とか少しずつ動くようになり、


 

 

 

 

 

最終的にはスムーズに全開まで動きました。

これももう少し進行していたら部品交換しないと無理だったかも。

たまには使ってあげたほうが良さそうです。